伊坂幸太郎「ルックスライク」を読んだ

この作品は、新潮文庫の「日本文学の100年の名作」の最終巻第10巻の中に入っている。

伊坂幸太郎は何だったか、前に読んだことがあって、その時はそのペダンティックさと言えばよいのか、ふわふわ浮ついた言葉の羅列だと感じてしまい、あまり良い印象は残らなかったが、今回のこの短編を読んで、思わず「うまい!」と言いたくなった。

高校生の男女とそれより少し上の男女の物語が並行して進んで行くのだが、最後にそれが時空を超えてつながる。目から鱗という感じだった。目から鱗はたぶん快感のことだと思う。
初っ端だけを紹介すると、ファミリー・レストランで働く若い女性が、高齢の男