連載:宗教3

不自由と不幸 (自分のためのメモ)

小学校の先生をしておられた東井義雄さんが、本の中に紹介されていたおはなし。
ある盲学校に東井先生は参観にいかれた。授業が終わり自由にお話してくださいとなって、先生は目の見えない生徒にこう訊かれた。
「もし君、目が見えたら何が見たい?」
「先生、そりゃ見えたらいっぺんお母ちゃんの顔を見たいわ。
でも見えたら、あれも見たい、これも見たいということになって、気が散ってあかんようになるかも分からん。
見えんかてべつにどういうこともあらへん。
先生、不自由と不幸とは違うんやね。」

(渡邉晃純著『いったい私はどうなりたいのだろう 真宗入門』より

知の営みには3つ