想定外に、その懐かしい面影に驚いた。
数年ぶりに訪ねた店の、カウンターの片隅にそれは居た。
何十年ぶりなのに、
私よりも歳上なのに、
若かった頃の様に何も変わっていなかった。
「…」
私はなんて事をしてしまったのだろう…
自悔の念。
全ては私の間違いから出逢ってしまった。
その衝撃的な出会いに、私は官能的な虜になった。
しかし私は、
その後、かえりみる事は無かった。
私は若かったのか…
いつのまにか私の目の前で、
私を非難する様な目付きで、
私を見つめていた。
『どうして今まで私をほっておいたのよ…』