天野純希 の 紅蓮浄土 石山合戦記

★3.5 石山本願寺の消滅までを描く合戦異聞。
千世は総本山に護法衆として仕える身。孤児だった幼い頃に引き取られ忍者として育てられた。30人ほどの同朋が各地に派遣され情報収集や各種の工作に就いている。

長島に派遣された千世は大島新左衛門の護衛の任につく。三好一門のでであり大島での道場主でもある。「法灯を消すな。仏敵である信長を倒せ」「進めば極楽、退けば地獄」。巧みな教義のすり替えがなされていく。坊官は闘うことなくと門徒を扇動する。更には衆生に教えを説き極楽へ導く総本山がなくなれば、門徒の極楽行は不可能になると。本来、ただひとえに念仏を唱えれば極楽往生が