連載:コロナ

「月が明るい」

駅からの帰り道、私は信号で止まる度に空を眺めた。

満月より幾分左側が欠けているが、刷毛で掃いたような白い雲が月の隣にあり、より一層月の明るさや、まるい曲線の美しさ温かさを感じさせる。晴れ渡った空が嬉しい。



第一波より感染者が増えている以上、孫を訪ねる時に公共交通機関は使えない。

孫は手作りグミを作って待っていた。シミ一つないすべすべの肌やぷっくりした手を見ているだけで幸せだ。

午後4時を回り、幾分涼しくなってから外に出た。梅雨明け宣言が出た途端、一気に気温は上がっていた。

公園には若いパパやママと一緒の子どもが遊んでいる。緊急事態宣言の時は