永井紗耶子 の 商う狼: 江戸商人 杉本茂十郎

★3.5 物語は文化3年に始まる。定飛脚問屋の大坂屋茂兵衛(茂十郎)は町が管理する永代橋の崩落事故で妻と長男を亡くした。橋の老朽化が放置されたためである。

茂兵衛は町年寄の樽屋与左衛門、勘定所御用達の札差伊勢屋の堤弥三郎、北町奉行・小田切直年などの支援を受け問題に取り組んでいく。「飛脚の運賃を守る「飛脚定法」を奉行所に認めさせ、砂糖問屋の菱垣廻船離れと菱垣廻船そのものの老朽化問題に取り組む。
永代橋崩落から6年、杉本茂十郎は十組問屋と三橋会所の頭取、町年寄次席という肩書を持ち、更に菱垣廻船積株仲間、米会所の双方を取りまとめるようにもなっていた。

茂十