連載:シニア

「孤独は最高の贅沢です」

「済みません、今、姉と言いました?」
「そう、姉。」

「ええ?!104歳の姉って、じゃあ失礼ですけどオネーさんはお幾つなんですか?」
「84歳。」

平然と笑顔で答える。彼女はずっと立って喋っている。私は椅子に座っている。「座らなくて大丈夫ですか」とは言わない。私は客で、彼女は美容師。

男性美容師にカットと白髪染めをお願いしてやってもらったのだが、いつもは繁盛している店に客がいなくなった。彼女は最初男性にタオルを渡したりしていた。今までそんなことをする美容師はいなかった。何か違う。

男性が私の髪に白髪染めを塗り終えた。暫くはこのまま待機だ。そしたら