連載:日常1

「親知らず子知らず」

玄関脇の鉢に驚いた。先日はまだ芽が出たばかりだったのに、30センチは優に越えている。赤いヒガンバナだ。黄色やオレンジはまだ芽が伸びて来ない。


孫は人生初のママのいない日常を過ごして三日間経ち、大人二人が張り付いていた休日が終わった。保育園だ。

前日から保育園という言葉が出る度、顔をしかめていた。休みの日には7時過ぎまで寝ていたのに、6時過ぎに目を覚ました。

手を繋いで階段を降りようとすると、私の後ろに回った。おんぶだ。私が第二子を産んだ時、長男は夫の両親にこうして甘えたのだろうか。

パパと私で川の字に手を繋ぎ、保育園に向かった。線路際を歩いてい