吉森大祐 の ぴりりと可楽!

★3.5 江戸で最初の寄席を開いたとされる初代三笑亭可楽が名を成すまでの物語。

江戸落語の始祖とされる鹿野武左衛門から100年、幕府は「軽口剽軽(ひょうきん)」の興行を公序良俗を乱すとして禁じてきた。江戸の噺は大工の頭領・立川焉馬らが料亭を借りて酒を出し、会費をとって同好の寄合の形を取る旦那芸〈噺の会〉となっている。

そんな寛政10年(1798年)、大坂から来た岡本万作という男が木戸銭を取って「頓作(とんさく)軽口」の興行を打つという。〈噺の会〉の駆け出しではあるものの、山生亭花楽の名を持つ櫛職人の又五郎は江戸者の恥とそれを迎え撃つことにした。