縁側に番茶を啜り落ち葉見る



 宮守が俵につめたる落葉かな  水田正秀

 小さき句碑落葉にひざをつきて読む  高木晴子 花 季

 小鳥来て落葉の嵩に見失ふ  岩西多加志

 山の神落葉の中におはしけり  石田郷子

 工事場の奈落に落葉舞ひつづけ  鈴木貞雄

 干藷の上にも四万は落葉して  栗原米作

 掃き集め枯葉落ち葉に芋を焼く  アロマ

 落葉たく煙の中のきのふけふ  瀧井孝作

 落葉乾く日ざしの中に母の声  古賀まり子 降誕歌

 あたらしき柿の落葉のかさなりて  長谷川素逝 村

 庭木戸を出て柿落葉踏みてゆく  星野立子

 柿落葉一日に心奪ふほど  中村汀