11月10日(火)薩摩よみうり俳句
俳句 淵脇 護選
鮎落ちてまた廃村となりにけり 鹿児島 永井 旅児
(評)季語は上五の「落ち鮎」で秋。ごく平明な言葉を用い句意は明快である。一村を貫いて流れる川は、昔と変わらず悠久であるが、村里は少子高齢化社会隣過疎化が進んだ。
現代社会を痛烈に捕らえた秀句。
臼据えて村の絆の餅を搗く 霧島 秋野 三歩
滝つぼの水美しき暮れの秋 霧島 池田 章
始発駅間に合ふ筈や明の月 霧島 池田 行雄
定めなき初の時雨れや御楼門 霧島 内村としお
小春日や新燃岳の小噴火