「カッティング・エッジ」 ジェフリー・ディーヴァー著

四肢麻痺の科学捜査官、リンカーン・ライムのシリーズの小説はツイストが効いていて、最後まで予断を許さない。読書の楽しみを味わわせてくれる。

もう一つの楽しみは「訳者あとがき」だ。
そこにはディーヴァーが書いたコラムの一部が小説作法のごとく紹介されている。
「ディーヴァーが書くのは何が起きたのかを振り返って解き明かす推理小説ではなく、このあとどうなるのか。何が起きるのかに読者の興味を惹きつけるスリラー小説であること、事実発生から解決まで3日ほどの短期決戦であること、作品ごとのテーマを明示すること、最低三つはひねりを用意すること……」

読者は過去の事件がど