連載:読書感想文

152、『タイル』(柳美里著)はよく分からない小説だった

『タイル』 柳美里著 文芸春秋平成9年11月10日発行
ー柳美里の作品は久しぶりに読んだ。だけど、さっぱりストーリーや、登場人物の行動、感情の様子が分からなかった。以前興味を持って読んだのは、男女の交流を描いた、リアルな作品だった。現代の男女はこのように交流して生きていくんだな、と思ったものだった。それが、この作品は、さっぱり、リアルさが、感じられない。作家の夏海が殺害されるのだが、そうした殺人の感情のリアルさも感じられない。人間をモノのように扱っているように感じた。それで、どうして、柳美里の作品を再び読もうと思ったのは、『JR上野駅公園口』が、アメリカ