連載:読書感想文

9、『ふちなしのかがみ』(辻村深月著)は、僕にはよく分からない

『ふちなしのかがみ』 辻村深月著 角川文庫
平成24年6月25日発行
ー辻村さんの小説は、以前、僕は、若い現代人の心理を見事に描いている、と感動して読んだことがあるが、この短編集は、何とも感心しない。リアルさが、僕の身に感じられないのである。最近では、『朝が来る』には感動したが。そして、他の長編小説で、高校生か、中学生かの交流する様子が、現代風に、描かれていて興味深く読んだこともある。だけど、この短編集は、僕によく分からなかった。
ー踊り場の花子
 「青井さゆりちゃん、毎日、一生懸命お掃除してる」
 「大変なことをする時は、次のことだけ考えて、終わるのを