若木未生(わかぎみお)の われ清盛にあらず

★3.3 清盛の弟・平頼盛の若かりし頃を保元・平治の乱を中心に描く。

忠盛の正妻・宗子(池禅尼)の子として平家の棟梁となる可能性のあった頼盛は、母の思いとは別に一門としての清盛を立てる。

清盛亡き後、木曽義仲上洛時の平家の都落ちには同行せず、頼朝との交誼を結ぶ。池禅尼が己の助命に尽力してくれたと信ずる頼朝は頼盛を鎌倉に迎えたが・・。

帝や院を巡る権力闘争の中であるからこそ、その存在価値を認められたのか。壇ノ浦後も生き延びる。

西行を密使として登場させたり、白拍子の祇王を世に出したりと面白い着想もあるが、分かりにくい頼盛という人物像を解き明かす物語