「食」は人を語る

(日本経済新聞「くらしナビ」・・作家・堂場瞬一「食事は個性の映し鏡」’21年2/22 夕刊より )

私(堂場瞬一)の小説には「食べる」シーンがよく出てくる。私にとって「食」は、それほどに重要なシーンなのだ。なぜなら「何をどんな風に食べているか」は、登場人物の性格や暮らしぶりを表現するのに一番分かりやすい方法だと思っているからである。例えば

「刑事の忙しさ」を表現するには、「あんぱんと牛乳」や「立ち食いそば」で、慌ただしく"めし"を済まさせるし、「アスリート」の場合には、一食一食が真剣勝負なので、「栄養素やカロリー計算」を描いてみせたりする。

そして