薩摩よみうり文芸 3月2日
薩摩よみうり文芸 3月2日
俳句 淵脇 護 選
落ち椿ころがる風を追いかける 鹿児島 福寿美智子
(評)「落ち椿」が季語で春。2月・3月ごろ、公園や垣根を彩るのが椿。椿の落下は花びらが散るのではなく、一花まとまってポトリと落ちるのが特徴。この句、椿が転がり落ちて風に吹きさらわれていく様を、言葉を上手に操ってひねりを効かせて詠んだ技巧派の句。表記は現代仮名遣いで採用。
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つかまつる官女や白き月明かり 薩摩川内