連載:薩摩よみうり文芸

薩摩よみうり俳句4・20(火)

薩摩よみうり文芸 俳句 4月20日(火)
 俳句 淵脇 護 選

耳掻きをまさかの店に買ひし春    島 水町 志津子
(評)「耳掻き」は耳垢などを取ったり、かゆい所を掻く柄杓型のちいさい道具。作者は紛失した耳掻きを、どこかの店で買う機会をねらっていたところ、果たせるかな、念願の耳掻きを思いがけない、まさかの店で入手したのだ。下五を「春」と大きな季語で締め、さすがベテランの味!

耕して古墳の島に眠りけり      霧島 秋野 三歩
縁に出て爪切る音や春近く      霧島 荒木久美子
雛人形しばらくはまだこのままに   霧島 石田 和哉
花仰ぐ疾風四式