連載:妄想爺やの春夏秋冬2

生涯 桜を愛でた西行

願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ

辞世の歌ではない

西行が逝去する10年ほど前に詠んだ和歌だ

73歳に生涯を終えた

23歳に出家したのち、一所不住の漂泊の身であった

生涯、桜を愛し、桜の和歌を多数詠んでいる

死ぬのも、桜の咲く中でありたいという願いを抱いていた

没した日は2月16日なので、桜が咲く前だったのだろうか

どうやら、桜の咲く満月の日に亡くなったとされている

さすがに僕は家に住まない遊行の生活はできない

しかし、還暦を過ぎて、今までの人生が僧侶でいう在家であるならば、出家への道を歩もうと思ったりもする