夕桜見つつ菜花の辛し和え 


 

 古稀を越え幾つか花の誕生日  大橋敦子

 菅笠に花のしたたる白毫寺  新井竜才

 花の里我懐かしみ夢路行く  アロマ

 花の下マイク横取りされしまま  飯塚ゑ子

 花時雨ビニール傘の軽きこと  小林玲子

 気まぐれな気球が一つ花の山  齋部千里

 咲きそめし花に雪片こぼす雲  安原葉

 花散って帰らざる日の懐かしく  アロマ

 み吉野の待たるる峡の花便  稲畑汀子

 地下鉄の出口は花の入口に  稲畑廣太郎

 仄々とまた寥々と花満てり  佐藤国夫

 シャンシャンと馬車の鈴の音花の土手  田中藤穂

 早咲