「羅 漢」の日記一覧

会員以外にも公開

クラスで似顔絵描いて張り出され

 更衣イエローを自画像へ着せ  市川博久  自画像に笑窪を残し卒業す  多治見照子  自画像と言う詩を書く三十六歳  アロマ  自画像のごとき羅漢や華鬘咲く  山口苔石  自画像のその前にあり寒卵   加藤三七子  愛らしい自画像の顔硝子越し   アロマ  父を待つわたしのイコン夢彩色  下山田禮子  曼荼羅に豆つぶほとけ雪明り  鍵和田釉子 …

会員以外にも公開

無人駅降りれば風に花の塵

 風が寄せ波が寄せをり花の塵  平しげる  花の塵張りつく車夜勤明け  下島千代子  散り敷くや舞うのもありて花の塵  アロマ  惜しまれて流れて行くや花の塵  小山香月  ひるがへる僧の衣に花の塵  池田光子  束の間のまばゆき日々や花の塵  赤星惠子  掃きこゝちよく乾きたる花の塵  喜多村萬城  花の塵中折れ帽の窪みにも  伊藤トキノ  中空につむじとなれ…

会員以外にも公開

宵闇の桜吹雪に佇んで

 さくら狩り羅漢の一人混じりをり  宮澤さくら  自分史の角かどにある桜かな  山元志津香  みんなして西行桜に埋もれる  中林明美  手のひらにはづませてみる八重櫻  野口光江  悠久の翳をしだるる夕桜  加藤汀  滝桜枝撓わせ午後の風吹く  アロマ  桜咲き琵琶湖疎水の赤煉瓦  藤原浩  舞ひしきる桜浄土の中にあり  加藤汀  桜満ち高遠の空うすぐもり  勝…

会員以外にも公開

夕桜見つつ菜花の辛し和え 

   古稀を越え幾つか花の誕生日  大橋敦子  菅笠に花のしたたる白毫寺  新井竜才  花の里我懐かしみ夢路行く  アロマ  花の下マイク横取りされしまま  飯塚ゑ子  花時雨ビニール傘の軽きこと  小林玲子  気まぐれな気球が一つ花の山  齋部千里  咲きそめし花に雪片こぼす雲  安原葉  花散って帰らざる日の懐かしく  アロマ  み吉野の待たるる峡の花便  稲…

会員以外にも公開

春隣京を旅して宿坊へ

 紺碧の若狭の海や春隣  竹内悦子  石段の影のでこぼこ春隣  苑実耶  路地裏の夜気の甘みや春隣  田中藤穂  校舎へとつむじ風ゆく春隣  大崎紀夫  昼時のめし屋に並ぶ春隣  國保八江  ひろぐればひかる新聞春隣  根橋宏次  春隣爽やか風の匂いして  アロマ  竹林の羅漢大笑春隣  冨松寛子 槐  白磁器にサラダ多彩や春隣  石田玲子  牛乳に玉子…

会員以外にも公開

ほろほろと萩散る秋の夕べかな 

 瞬くにつれ刻刻と秋の暮  三橋敏雄  矢印の方へは行かず秋の暮  高橋龍  坂道の薄靡いて秋の暮れ  アロマ  磯の井の覗けば深し秋の暮  酒井美幸   秋てふ文字を百たび書きて秋の暮  高柳重信  秋刀魚焼く匂い立ち込め秋の暮れ  アロマ  秋のくれ人盡く家に入る  松瀬青々  秋の暮引出しの鈴鳴りたがる  小檜山繁子  秋の暮柱時計の内部まで  三橋敏雄(1920-2002…