竹筒に椿一輪また二輪 



 寿福寺を訪ふどの径も椿咲き  萩谷幸子

 昏れ際を不意に日の射す籔椿  本橋墨子

 斑入りの薄紅椿優し気に アロマ

 虚子館に咲く大輪の椿かな  大塚鈴子

 竹の幹紅き椿にひたと触れ  南うみを

 潮騒のたかぶる岬の崖椿  葛馬房夫

 玉椿掃いて熱めに朝のお茶  森理和

 竹筒に椿一輪また二輪  アロマ

 虚子偲べとぞもちくれし椿咲く  上崎暮潮

 玉椿風呂敷小脇の異邦人  桑原泰子

 にぎやかに椿の蕾犇ける  郷地美代子

 正客の九十歳や白椿  中西道子

 大空にうかめる如き玉椿 高浜虚子 

 鳥翔ち