連載:シニア

「バアバはおばあちゃんなんだよ」

「はい、これ」
娘はそう言って紙袋を差し出した。中にはちょうど使い安い大きさのエコバッグが入っている。

「わあ、凄い!○○ちゃんが描いた絵だ」
「昨日一緒に描いたんだよ」

「ありがとう!○○ちゃん!」

子どもの日に孫宅で過ごした。生憎いつ雨が落ちてくるか分からない空模様だったが、皆で外に出た。

鯉のぼり型のケーキがあるとスマホにあり、駅ナカに数店あるケーキ屋を目指した。孫はバアバはいるし、子供の日の特別感を感じ取ったのか、トイレに行きたい、ジュースが飲みたいとグズる。その度に娘は丁寧に話して聞かせていた。

鯉のぼり型のケーキは何処の店にもなかっ