58、『東京會舘とわたし(下)新館』(辻村深月著)は作家になるきっかけになったクラッシックの建物が!

『東京會舘とわたし(下)新館』 辻村深月著
2019年9月10日発行
ー金環のお祝い
茂木芽衣子。勇吾。
 そんな夫も、建て替えられて新しくなった東京會舘の方荷はついに行かず終いだった。膵臓癌という病気のせいもあっただろう。

「會舘がなくなるぞ」
 日刊建設工業新聞。
 作家の井上靖は、小説『化石』の中で東京會舘を「T会館」として登場させた。『化石』の中では、本館のロビーの柱を飾っていたコレニア大理石が登場する。コレニア大理石とは、約6億年前に生息していた石灰藻の化石だそうで、その細かい渦巻模様は「天津蛇紋」と呼ばれる。
 越路吹雪さんは、多忙な日々の