朝比奈なを「教員という仕事 なぜ『ブラック化』したのか」

 教員という仕事に未来はあるのか。本書で現状を知ると、なかなか厳しいものを感じる。それほど教員の置かれている現状は厳しい。著者によると、教員がこれほど忙しくなったのは立て続けに行われる教育改革、教員改革のためだという。文部科学省も教員の働き方改革には取り組んでいるが、成果が上がっているとは言い難い状況。文科省も学校関係者も本気で取り組んでいると思われるが、なぜ成果が出ないのか。

 1つの要因として、学校教育では「建前」が譲れないという特殊性があるだろう。一般社会では「建前」は建前としてありつつも、「そうは言っても現実はこうだから」と現実に立脚して対応す