庭の木の若葉に風の宿り
時はよどみなく流れて行く
薫風は空に有りて我を誘い
思い出は地に有りて我を留む
楽しかった過去は何も生まないよ
若いあなたはそれを捨てるべき
私の大好きだったあの人の言葉
恋に終止符を打とうと決めた日
私は大切な懸想文をすべて集め
煙にして青い空に放った
これで良いんだと自分に言い聞かせ
その日私は新しく踏み出せたのか
それは今でもわからないが
私の前に現れた三叉路は
私が過ぎるとすぐに見えなくなり
一本のうねる道が後に続くだけ
年と共に動かなくなるのは手足だけではなく
大切な心すら自由に