連載:妄想爺やの春夏秋冬2

青簾(すだれ) 死すも伏せ寝の 愛犬や

家で愛犬と過ごすのもいいものだ

子供の頃、実家で雄の柴犬を飼っていた

家の庭側の部屋の窓際に、彼のお気に入りの場所があった

外を歩く人を景色を眺めるように、じっと見ていた

フローリングの洋室であった

夏には、ガラス戸に簾をかけて、日差しが入らないようにしていたのを覚えている

ボール好きの犬で、ゴムボールを投げれば、愛犬のエスは走って追いかけ、くわえては、こちらに持ってくる

そして、また、そのボールを投げると、くわえて持ってくるの繰り返しをして遊んだ

そんな元気なエスも、12年くらい生きて、突然、老衰で死んでしまった

ある夏の朝、僕は起き