連載:心理学

一冊の書が人生を狂わせた

「ニィルの思想と教育」を棚から引きぬいた。
大きな書店にならぶ膨大数のなかの一冊の「思想」の文字にひかれて、手にしたのはまさに奇縁。
そして「思想」のもとの「精神分析心理学」にさらに心ひかれる。

その一冊を読みふけるうちに、わたしの心は八百屋お七の恋狂いもようとなり、「ハグレ学問の精神分析などやめよ」との周りの注意など聞く気にならない。
それからは、フロイト全集、カレン・ホルナイやエーリッヒ・フロムらの精神分析理論をダム決壊の流水の勢いのように読みつづけた。
そのうちに日本語訳書に飽き足らなくなって、原書に目が移る。

ここまでのめり込むと、わたしの単