西田輝夫「70歳、はじめての男独りくらし おまけ人生も、また楽し」

 著者は眼科医で、国内だけなく国際的な権威ある賞も受賞したことがあり、大学の副学長まで務めた。現役時代は常に多忙で、家事の一切は奥様に任せ仕事に邁進したタイプだ。奥様も眼科医で、共に再婚で結婚生活は16年半だった。著者は40代後半で離婚、子どもたちは前妻が引き取った。離婚の理由は書かれていないが、仕事一筋が理由だったのではないかと推察される。奥様の前夫は病死。奥様の子ども達はすでに独立しており、再婚暮らしは夫婦二人きりであった。それがため、奥様が亡くなると著者は独り暮らしとなった。

 それにしても、著者の暮らし音痴ぶりはなかなかのもので、ATMさえ使っ