池井戸 潤著「 架空通貨」

物語は辛島の教え子の麻紀が退学届を提出した時に始まる。
理由は父が経営する金属加工の工場が資金難で間もなく倒産する。そうなると麻紀は大学に進学するどころか今の高校にも通えなくなる。

翌日麻紀の母親から麻紀が家出したと連絡してきた。
驚いた辛島は麻紀の家に駆けつけた。

父親の会社は黒沢金属加工といった。
黒沢金属加工は1度不渡り手形を出していてもう一度出したら倒産する。

黒沢金属は無理矢理、親会社の田神亜鉛に7千万円もの社債を買わされていたのだ。7千万円を田神に貸していることになる。
これを返して貰えば不渡りにならず、倒産を免れることが出来る。