ワイパーが追い付かない。対向車に大型トラックが来ると身構えた。
来た。フロントガラスにバシャーンと降りかかる水飛沫。もし歩行者がいたらひとたまりもない。
身延山から太平洋側を目指した。時々見える川は富士川か、茶色い水がうねりを上げて流れて行く。こんな雨が続いたら、山ばかりの景色の何処が崩れてもおかしくない。
安全に千葉に帰ろう。息子は田子の浦に立ち寄った。見たことのない公園が出来ていた。子供達が小さい頃、毎年来た。
私は喉まで出かかっている言葉を息子に言うか迷い続けた。元夫の住む街だ。
飲み込んだ言葉は何だったのだろう、
「お父さん、どうしてる