連載:妄想爺やの春夏秋冬3

外してはかける夜なべの眼鏡かな 夜は秋の兆し

昼間、キリギリスが鳴く近所の草むら

夜になると、コオロギが鳴き始めている

あいも変わらず、昼間は猛暑が続く

どうやら、秋は夜から始まるようだ

日本人は鈴虫やコオロギの鳴き声に秋を感じるものだ

いわゆる、風流というもの

一方、欧米人からすれば、やかましい虫の声のようだ

子供の頃、近所から鈴虫を数匹もらい受けた

当時、使わなくなっていた陶器の火鉢に土を入れて、虫かごから鈴虫をそこに放して飼っていた

日の当たらない、台所の隅に新聞紙を被せフタをして置いていた

薄暗い場所なので、昼間でも夜のように鳴いていた

家で飼っていた鈴虫は、夜しか鳴か