ネットで探した詩 「黒いランドセル」  渡邊十絲子 作



 「黒いランドセル」

           渡邊十絲子(わたなべとしこ) 作


昔々、その昔。

小学生になったとき、私は「黒いランドセル」を与えられた。
3つ年上の姉のときはピンクのランドセルだったのに。

母親の台詞を覚えている。

「男の子だから黒、
 女の子だから赤と決めるのはおかしい。」

だから私には黒いランドセル?

小学校へ通う途中で、学校の中で、
他人の好奇の視線を浴びながら
私は黒いランドセルで学校に通った記憶がある。 
別に 赤いランドセルが欲しかった、と
思ったわけでもないのであるが、
やはり、他人の視線の集中は負担だっ