秋山郷から苗場山 10/24

フロントガラスを打つ雨滴が雪に変わり始めた。木島平で七度を示していたディスプレイの温度計が、今は一度にまで下がっている。
紅葉に彩られているはずの山々はすっかり雪景色。道路に爽やかな影を落とすはずの樹々の枝は、重そうな雪を載せて撓んでいる。
いよいよ路面が白くなってきた。
カーナビでカヤの木平までの道のりを何度も確かめる。このまま坂道がつづけば、今、装着しているタイヤではとうてい登れない。
ギヤをセカンドに入れ、あと少し、あと少しと言い聞かせて、忠実に先行車のトレースをたどって行く。
アスファルトに付けられた黒いタイヤ痕が、いつしか雪の轍にとって替わる頃