山を背に大根稲架に掛けられて  



 現し世に同行二人大根食ぶ  壷井久子

 渋柿の下や茶畑大根畠  寺田寅彦

 湯の町の裏川大根洗ひをり  森田公司

 射的屋の人形倒る夜の雪  鈴木真砂女

 秋風のとつくに去つて大根畠  大木あまり 火球

 窓が開いてをる大根畑昼深し  瀧井孝作

  立山の風の降り来る大根稲架  升田 義次

  筑波西風大根洗ひに今日も吹く  土手貴葉子

 山を背に大根稲架に掛けられて  アロマ

 雪嶺のこぞりて迫る大根漬け  駒形白露女

 青首大根畑にそろひ恋ごころ  柿本多映

 蘿葡(すずしろ)と呼べば大根すらりとす  加藤楸邨

 雁木ま