塩昆布セロリの浅漬け生姜味



 浅漬の鉢に食卓整ひぬ  稲畑廣太郎

 浅漬の味よくなりし夕べかな  舩越美喜

 浅漬けの好み蕪と大根よ  アロマ

 浅漬の仄と香りし朝餉かな  稲畑廣太郎

 食すすむ浅漬茄子の今朝の色  佐津のぼる

 浅漬の胡瓜をうすく薄く切る  天野美登里


 紅き葉をとざして氷る神の池  松下八重美

 蓮氷縫ひて小舟の出で行けり  中鉢弘一

 氷上へ星落つる音ひびぎけり  有松洋子

 ひとり踏み皆が踏みゆく初氷  森藤千鶴

 甕の水厨に凍って初氷  アロマ

 さざ波に洗はれてゐる初氷  笹村政子

 暁の微光に震ふ初氷