雪嶺を眺めワインは濃紫



 どぜう屋の炭火を恋へり十二月  瀧春一

 どんよりと蜂蜜こごる十二月  有働亨 汐路

 十二月 寒さに身内引き締まる  アロマ

 かなしみは樹々にもありぬ十二月  阿部みどり女

 みんなみの雲の眩しき十二月  竹本仁王山

 入込みに白き月見し十二月  臼田亜浪

 十二月蔵王温泉へ旅して  アロマ

 十二月八日の日差がんもどき  原田喬

 十二月七日の銀座小糠雨  山田閏子

 十二月八日の都夜霧濃し  藤井寿江子

 十二月八日やぬるき湯に浸かり  森田智子

 牡蛎フライ揚げてパセリと檸檬添え  アロマ

 十二月友にふとん屋こん