連載:妄想爺やの春夏秋冬5

さびれる昔ながらの質屋 盛況な買取商店

年末になると、餅代を稼がないとなどと言ったりする

年末年始に控える家庭の行事や人との付き合いにかかるお金を確保しようと言うことだ

近所に、昔ながらの質屋がある

ひと目をはばかるような、目立たない佇まいの店である

多分、店の暖簾をくぐり、お金を借りる姿を人に見られたくない客に配慮した店構えなのだろう

僕は、生まれてこの方、質屋を利用したことはない

その理由として、僕が二十代の頃から、サラ金が庶民化し、利用しやすくなったからだ

若い頃、サラ金を銀行感覚で、気軽に利用したりした

その手軽さとは裏腹に、完全な返済まで長期間かかり、後悔したものだ