1月1日から15日までに読んだ本

①暁の寺(三島由紀夫 新潮文庫)
2017年10月以来の再読。この巻の主人公は「本多」と言ってよい。本多は「春の雪」で親友の松枝の悲恋に関わり、「奔馬」では松枝の転生である飯沼の自刃に立ち会ってきた。この巻ではタイの姫、ジン・ジャンと出会う。
本多は巨万の富を有する人物となっており、富士山の見える場所に別荘を建て、そこで姫との再会を果たす。若くて美しい肉体を見たいがためにプールまでも設える。同時に壁面を細工して、寝室をのぞくことのできる穴まで作る。「覗き穴」は「午後の曳航」にも使われていた。かつては法の下に、検事や、その後弁護士を勤めた、理知の権化ともい