連載:日常1

「新天地」

「3度目でね」
はっ?意味が分からなかった。
「今の母ちゃんで3人目」

男性は80代だというが、頬はつやつや張りがありとてもその年代には見えない。

私から声を掛けたのだった。何度か見かけた事のある男性は、公園のゴミを拾っていた。
「ありがとうございます。よく孫と遊びに来るんです」

ひょろっと背の高い男性は、ニコニコとよく喋った。

「母ちゃんがさ、半径800メートル以内の場所にウチ探してさ、娘のマンションからね。さっさと引っ越した。仕方ないから半年後に僕も来た」

公園から見える青い屋根のマンションに住んでいるという。
「どちらからですか?」
「長