中村彰彦 の 天保暴れ奉行 気骨の幕臣 矢部定謙(さだのり)

★3.5 矢部定謙の生涯。
矢部定謙については、三方領地替えの話や水野忠邦、鳥居耀蔵(とりい ようぞう)の登場する物語などで江戸南町奉行時代の概略を知るのみだった。きっかけは、澤田瞳子の「輝山」に登場の『浜田藩の密貿易事件(竹島事件)に絡む大坂西町奉行時代の矢部駿河守定謙の悪事を暴く』ということから。

今回は、若かりし時代や大坂西町奉行時代、勘定奉行時代など興味深く読んだ。特に浜田藩と探索方の間宮林蔵などがからむ竹島密貿易事件などは面白い。西国の藩の不正を暴くのは大坂町奉行の職務とし、探索方さえ抱えていたとするもの。だが、悪事を思わすようなことは登場し