第八章 露見
今日も朝から夫の純一はゴルフに出かけた。
日曜日だからフィットネスクラブも休みだし、クラブで知り合った友達を誘ってランチでもしようかなと思っていたらインターフォンが鳴った。
「どなた?」
「田崎です。ご主人の部下の・・」
「あぁ田崎さんね。今開けます」
田崎幹也は夫の後輩で、普段から目をかけている忠実な部下である。
何度か純一が連れて来た事もあり、繭子は手作りの食事を提供した事もあった。
「主人がいつもお世話になっています。あいにく今日はゴルフだと言って出かけてますが、田崎さんはご一緒じゃあなかったんですか?」
連載:金木犀の香る頃に 改訂版