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「11年後の311」

「あの日、○○病院で働いてたのよ。帰りに信号が消えててね。怖かったわ。暗い中にうちのマンションだけが明るく見えるの。自家発電で明かりがつくのよ」

同僚が言う。11年前の3月11日。14時46分。

「私は学校にいました。部活動してたんです。泣き出す子もいました。男子でも。」
「その後どうしたの?」
「グランドに集められました」

20代の同僚は中学生だった。

私は家にいた。仕事から帰った息子もいた。突然の激しい揺れに私はテレビを抑え、娘の名前を呼んだ。

その夜、何度も揺れた。頭に「日本沈没」という言葉が浮かび、不安で不安で仕方なかった。

その後の