連載:新十津川物語

小説「新十津川村物語」川村たかし 著(3)

豊太郎に役場勤務の話が来た。高等小学校を卒業した あや は、新十津川村の山奥に新しく開拓された吉野地区の小学校の代用教員になり、自宅から通うのは不可能。高等小学校へ進んだ庄作も寮生活になり、農業はほとんど フキ 一人の仕事になるので、「無理過ぎる」と あや と 庄作 は反対するが、役場勤務は豊太郎の子どもの時からの夢であり、豊太郎は一人で決めてしまった。

 ※ それにしても、あや は、現在の中学校に相当の高等小学校を出ただけで代用教員になるんだね。戦後間もないボクの小学生時代は新制高校を卒業したばかりの人たちが代用教員になって、通信教育で大学の勉