第十八章 瑤子の死
「夕べ、亡くなりました。今お通夜です」
宰光からラインが入った時 近畿圏は秋雨前線が通過中で雨が降っていた。
予期していた事態とは言え、現実となると一気に悲しみが涙となって止めどなくあふれ出した。
電話をするにも声が出ない。
「お葬式は?」
「マンションのすぐ近くにある『やすらぎ会館』で、時間は午後一時からです。遠いのにお越し頂くのはは申し訳ありません。でももう最後ですから是非瑤子に会ってやってください。瑤子は最後までよく頑張りましたよ」
「了解しました。必ず参ります。どうぞお疲れが出ませんように」
簡単な
連載:金木犀の香る頃に 改訂版