佐伯泰英「寒雷ノ坂 居眠り磐音江戸双紙2」

 江戸の貧乏長屋で浪人生活を送る坂崎磐音。喰うに困る困窮生活を送るが、以前は豊後関前藩の中老の家に生まれ、江戸藩邸で修行して藩政改革に取り組もうとする青年藩士であった。うつけ者の讒言で、同じ藩政改革の志を抱く幼なじみ同士が私闘で殺し合う羽目に陥り、同志を自らの手で斬らざるを得なかった。藩政改革の希望を失った磐音は藩に暇乞いを行い、江戸で浪人暮らしをしていた。そんな磐音にかつての同志上野伊織が接近し、私闘は巧みに仕組まれた陰謀であると説く。藩との関わりに関心を失っていた磐音であったが、身辺に不穏な動きが起こるに従い、陰謀の存在を確信し、立ち向かう決意を固め