穏やかな芦ノ湖を行く海賊船



 早乙女の虹を讃えて佇ちにけり  芝 不器男

 真珠採る離れ小島の蝉旺ん  平畑静塔

 酔へば物皆なつかし街の落花踏む  種田山頭火

 朝露や畔豆刈れば小虫とぶ  山頭火

 お大師詣でがちらほらと秋晴れの路を  山頭火

 宵の空目の前にある明星よ  アロマ

 大根刻む音淋し今日も暮れけるよ  山頭火

 湖は半面冬日照る和やかな波  山頭火

 穏やかな芦ノ湖を行く海賊船  アロマ

 空の青さよ栴檀の実はしづかに垂れて 山頭火 

 気まぐれの旅暮れて桜月夜なる  山頭火

 寝足りし朝よ谷鶯の啼きたえず  山頭火

 くちなしの香り馥