炙りたる稚鮎の美味さ殊の外



 あるときの鮎は銀河を食むことも  正岡 豊

 いたどりの花活けてあり鮎料理  北川まどか

  いちにちは雨に遊びて鮎料理  小島健 木の実

 かかりたる鮎と流れをさかのぼる  鈴木とおる

 うつくしき鮎の青串高麗の竹  山口青邨

 ならべられつつ口動く鮎を買ふ  阿波野青畝

 こぼるゝもありて鮎苗運ばるゝ  森田峠 避暑散歩

 ところ~瀬の変りたる鮎の川  高浜虚子

 とび鮎の底に雲行く流れかな  上島鬼貫

 つぎの皿出るに間のあり鮎づくし  片山由美子 天弓

 わがための厨ごもりか鮎焼く香  能村登四郎

 わが里は球磨の人吉