伊東 潤 の 天下を買った女

★3.4 北条政子、淀君とともに日本の3悪女とされてきた日野富子の生涯を描く。

8代将軍義政の無能さと、やる気のなさ、細川、斯波、畠山などの管領家や近畿周辺の山名家、赤松家、京極家などの私利私欲のすさまじさなど、いつもながらこの時代に付き合うのは辛い。唯一の興味は、タイトルにもあるように、富子がどうやって金を集めそれをどう活用したのかということ。この時代の経済構造の記述も珍しい。

富子は明の留学から帰国した僧・普海から理財(経済)を学ぶ。延暦寺や興福寺といつた権門寺院、京都五山の禅門寺院は信者からの寄進や荘園収入をもとに武家や公家への大口の金貸し業に