読売俳壇 7月26日(火)
俳句 大川畑光詳 選
花茣蓙や島口に寝る離島便 霧島 秋野 三歩
(評)鹿児島に人の住む離島は28ある。それだけ多様な文化があり、島口と呼ばれる奄美の方言も少しずつ違う。揚句は離島便のフエリーの二等室の光景だろう。花茣蓙を敷いて語り合う島の人々。小声で話される島口の何となく懐かしく、優しい調べに作者は心地よい眠りに誘われる。
竹林の青水無月の日照雨(そばへ)かな
霧島 久永のり尾
青田風鄙(ひな)に日露の凱旋門 鹿児島 中村池塘子
かのこゆり週に二日の診療所 霧島 白